北朝鮮核問題の解決は米中貿易交渉とトランプ大統領のキャラクターが鍵を握る

 今は危なくありません。危ないのは来年春。Xデーは来年3月24日(土)深夜です。アメリカの北朝鮮への先制攻撃は、中国共産党第19回全国代表大会(今年秋開催予定)まではありません。中国の本気の恐喝と多額の金が動くので、金正恩党委員長が核廃棄か亡命かを選ぶ確率は随分高くなりました。しかし、北朝鮮核問題の最終決着が付かずに来年春を迎えたら、その時こそ本当に危ないです。

 最も重要なことは、トランプ大統領が習近平国家主席に、北朝鮮核問題が解決したら、有利な貿易条件を提示すると約束したことです。
 その後は、どのような展開になるのでしょうか。考えてみましょう。

 正直なところ、昨日まで私は北朝鮮情勢が不安でした。
 今も北朝鮮情勢に不安を抱えて冷静でいられない人のために、この記事を公開します。
 ただし、来年春にはもっと不安になる内容も含まれていますので、それを承知の上で、読んで下さい。

目次
1.アメリカのシリアへのミサイル発射の決断
2.アメリカ・中国間での北朝鮮核問題交渉における重要な5要素
3.5要素を絡めた米中の交渉の展開
4.なぜ北朝鮮核問題が解決したら、有利な貿易条件を提示することを約束したことが最善の策なのか
5.なぜ交渉の期限が1年後なのか
6.トランプ大統領は北朝鮮に対する石油禁輸など短期的な結果を要求するのか
7.中国はアメリカに北朝鮮を空爆させないのではないか
8.アメリカ単独で北朝鮮に先制攻撃することはないのか
9.フリン氏の疑惑をもみ消すために北朝鮮へ先制攻撃するのではないか
10.最後に

1.アメリカのシリアへのミサイル発射の決断

 「トランプ大統領なら本当に北朝鮮に先制攻撃するかもしれない」北朝鮮情勢に関心のある人ならば、誰もがそう思っているでしょう。シリアに59発だけとはいえ、実際にミサイルを発射したのですから。

 アメリカのシリアへのミサイル発射について、トランプ大統領は、娘のイヴァンカさんが進言したから、ミサイルを撃ち込んだという人がいます。「トランプ大統領はイヴァンカさんに従っただけだ」とまで言う人もいるそうです。
 確かに判断のタイミングはその通りかもしれません。だが、単純に許せないという感情から発射したのでしょうか。
 「本当に悲しい。絶対に許せない。」と思ったでしょうか。

 「そうか、その手があったか。」
 「人権を脅かす絶対に超えてはならないラインを超えた、と言えばいいのか。俺は危ない奴と思われるだろうか?習近平はどう出るだろう?中国との交渉に活かせるだろうか?うん、うん、いける、いける。」と思ったに違いない。

 トランプ大統領は、自分が何をするのかわからない人間と思われていることを良く知っています。
 自分のキャラクターに発射させて「こいつなら本当にやりかねねぇ。」と思わせることで、交渉を優位に進めることができると判断したから、発射させたと考えるべきでしょう。今回の交渉がうまくいくには、習近平国家主席、金正恩党委員長、中国の藩陽軍区、中国のその他幹部にも「こいつなら本当にやりかねねぇ。」と思わせることが不可欠なのです。

 米朝関係がこれまでにない緊張状態に今あると言われています。
 「北朝鮮がデットラインを超えたと言われる核実験、または、アメリカにまで届くミサイル実験をしたら、トランプ大統領がすぐにも北朝鮮を攻撃する」と話す評論家がいます。
 トランプ大統領を馬鹿にするな、と言いたいです。なぜなら、今先制攻撃するのは旨みがないからです。むしろ、待った方が旨みが出てきます。旨みを出すための本気の恐喝、トランプ大統領の迫真の演技なのです。

 後で説明しますが、トランプ大統領は、1年後に交渉が決着しなければ、1年後には本当にやる覚悟があります。できればそれはやりたくありません。だから、そうなる前に最終決着を得るために、「やる時は本当にやる」覚悟を前面に出しておかねばならないのです。

 そうしなければ、金正恩党委員長と中国の藩陽軍区から譲歩を引き出せないのです。

2.アメリカ・中国間での北朝鮮核問題交渉における重要な5要素

 アメリカと中国との間で北朝鮮核問題を交渉するための、知っておかねばならない5つの要素を説明します。
 個別の要素について、発信している人はいますが、以下の5つを絡めて発信いる人の記事は、寡聞にして、まだ私は見たことがありません。

①北朝鮮暴走は中国の責任
②習近平国家主席は北朝鮮と藩陽軍区をコントロールできていない
③中国共産党第19回全国代表大会(今年秋開催予定)の存在
④アメリカは中国に対する貿易不均衡で交渉が必要
⑤娘婿のジャレッド・クシュナー氏の存在
の5つの要素です。

①北朝鮮暴走は中国の責任

 北朝鮮は核兵器を持っている時点で既にアウトです。北朝鮮が核兵器を持ったことは、野放しにした中国に責任があります。
 相手に責任があることが明確ならば、相手から譲歩を引き出しやすくなります。
 習近平は国家主席に就任してから5年間、金正恩党委員長に会っていません。北朝鮮が核開発で暴走しているのに中国はコントロールできていないと言われても仕方がありません。
 そうなったのは、習近平国家主席が藩陽軍区(今は北部軍区と名称変更)がコントロールできていないからです。それが北朝鮮問題の根幹です。

②習近平国家主席は北朝鮮と藩陽軍区をコントロールできていない

 北朝鮮問題は、中国の政治闘争と密接に関係しています。北朝鮮を除去したからと言って、それで解決する話ではありません。
 なぜなら、中国は一枚岩ではなく、習近平国家主席が命令すれば、指示通りに動くわけではありません。実際に、北朝鮮と国境を接している中国の藩陽軍区をコントロールできていません。

 藩陽軍区は2016年1月の再編成で内モンゴル自治区を統合して北部軍区と名前を変えましたが、この記事では藩陽軍区の名前で書き進めます。
 この再編成で習近平国家主席は藩陽軍区の力を削いで、コントロール下におこうとしたようですが、逆に肥大化してしまいました。

 そもそも北朝鮮の核保有は、北京を牽制する意味で、核を管理していない藩陽軍区にもメリットがあるという説もあります。
 そのため、北朝鮮への制裁もできていません。アメリカも、中国の国内問題であることはわかっていますが、中国政府が藩陽軍区と合意してもらわねば、北朝鮮核問題は話が進まないことはわかっているはずです。
 

③中国共産党第19回全国代表大会(今年秋開催予定)の存在

 責任があるのだから、今すぐ行動しろ、とトランプ大統領は交渉時に言ったかも知れません。習近平国家主席の都合から言えば、今もコントロールできていない藩陽軍区を相手にするのです。短期的に結果を出せと言われても出せないはずです。
 指導者の構成が決まる中国共産党第19回全国代表大会(今年秋開催予定)があります。その開催に向けて政治闘争が今も行われているはずです。
 その政治闘争の中で藩陽軍区と北朝鮮に関する交渉を行っていくはずです。

④アメリカは中国に対する貿易不均衡で交渉が必要

 トランプ大統領は、アメリカ・ファーストを標榜しています。彼が掲げる重要な政策の1つは貿易政策です。アメリカの中国に対する貿易赤字は、年間3000億ドルを超える多額なものです。日本、ドイツ、メキシコなどは年間1000億ドルにもはるかに及ばす、中国がダントツに多額です。

 中国に対する貿易赤字に対して、何も手を打たないことには、アメリカ・ファーストは語れません。トランプ大統領はここで明確な結果を手にしなければならないのです。

 とは言え、国民が期待しているほどの結果が得られるとは限りません。より多くの譲歩を引き出すには、相手が困っていることを解決できるようにしてあげることも1つの方法です。
 習近平国家主席も困っている藩陽軍区をコントロールできるカードとして提供するとしたら、どうでしょう。

⑤娘婿のジャレッド・クシュナー氏の存在

 トランプ政権で影響力を発揮する娘婿のジャレッド・クシュナー氏はユダヤ人で、シリア情勢に高い関心があります。優先順位は第1にシリア、2番目に北朝鮮です。
 ユダヤ人だからといって、シリア情勢は関係ない、イスラエルにメリットが得られるような結果にならないと思われるかもしれません。
 イスラエルが欲しているのは、周辺地域の安定化です。不安定になれば、テロ、戦争など余波がイスラエルに及ぶことは良くあることだからです。

 北朝鮮での戦争で兵力の消耗は避けたい、長期戦など当然論外と考えているはずです。アメリカが北朝鮮に掛かり切りになれば、シリア情勢に影響力を及ぼせなくなります。ただし、空爆だけなら、シリア情勢におけるアメリカの影響力強化に使えると考えている可能性はあります。

3.5要素を絡めた米中の交渉の展開

 トランプ大統領は、北朝鮮が核開発で暴走しているのは中国の責任であると確認します。また、アメリカが中国に対する多額の貿易赤字があるため、関税等の両国間の貿易条件を将来話合う必要がある旨確認します。
 その上で、北朝鮮核問題が解決したら、有利な貿易条件を提示することを約束します。
 習近平国家主席は、藩陽軍区と金正恩党委員長に対して、核廃棄か亡命かを迫ります。その交換条件として、貿易交渉で高い税率の国境税が設定されたら関税になってしまうと考える金額の一部を使います。
 また、藩陽軍区に対しては、中国共産党第19回全国代表大会(今年秋開催予定)で決定する党のポストも交渉カードに使います。
 もちろん、上記アメに対して、ムチとして、北朝鮮に対する石油禁輸やアメリカの先制攻撃に対しての黙認する旨の恐喝などを使います。
 それらの交渉で最終決着できなかった場合、来年の春頃、北朝鮮に力尽くで最終決着します。
 すなわち、アメリカは空爆を軍事施設、特に核ミサイル関連施設を徹底的に破壊します。恐らく、数日間と期限を切って実施します。それ以降の金正恩党委員長排除、占領、傀儡政権による統治は中国に任せます。

4.なぜ北朝鮮核問題が解決したら、有利な貿易条件を提示することを約束したことが最善の策なのか

 この内容はトランプ大統領がTwitterで全世界に公開しています。多額の金額を使えることで、交渉のカードが多くなります。交渉が得意なトランプ大統領が習近平国家主席に交渉しやすいように配慮した策と言えます。

 習近平国家主席にただプレッシャーを掛けて責め立てても、打開する可能性は低いでしょう。習近平国家主席は北朝鮮と藩陽軍区をコントロールできていないからです。打開したいと思っていても打開できないのです。コントロールできないのであれば、今よりも交渉のカードを増やしてあげれば、コントロールしやすくなります。

 Twitterでの公開も意味があります。他の軍区が藩陽軍区に北朝鮮核問題を何とかしろと圧力を掛ける効果も期待できます。将来自分達にも高い関税が掛けられるかもしれないからです。

 最善の策ですが、デメリットはあります。期限付きであることです。

5.なぜ交渉の期限が1年後なのか

 交渉の期限をいつに切るのか、ですが、最終的には来年春の米韓軍事演習が終わって数日まででしょう。
 なぜなら、今年の米韓軍事演習の時にあれだけ先制攻撃の可能性を示唆したのに、全く状況が変わっておらず、むしろ、北朝鮮に1年を与えてしまい、アメリカに核ミサイルが到達する可能性が高まっているのに、何もしない、では済まされないでしょう。
 それだけではありません。
 中国に対する膨大な貿易赤字があるのに、何も措置を取らないわけにはいきません。
 交渉についても、習近平国家主席は、アメリカとの貿易交渉で高い税率の国境税が設定されたら関税になってしまうと考える金額を交渉に使え、かつ、中国共産党第19回全国代表大会(今年秋開催予定)前の政治闘争で藩陽軍区に対しても党のポストという交渉カードもあります。
 それでも、交渉が進展しないのであれば、これ以上待っても、事態が進展する可能性は低いと考えられます。
 だからこそ、交渉期限を1年で切るのです。

 冒頭に書いた「Xデーは来年3月24日(土)深夜」の理由は、平昌パラリンピック閉会式の次の土曜日深夜であることです。土曜日深夜としたのは、北朝鮮への先制攻撃によって、とばっちりを受けかねない日本と韓国に配慮するためです。
 本来ならば、中国共産党第19回全国代表大会(今年秋開催予定)を終えた後、もうこれ以上交渉しても進展しないと見切った段階での行動もあり得ます。
 しかし、隣国の韓国が開催する国際的イベントを実質ぶち壊しにすれば、韓国が不安定化しかねませんし、それによって、朝鮮半島全体が不安定化しかねません。不安定化を避けるためには、数ヶ月ぐらい待つだろうと考えました。
 もちろん、この数ヶ月間待つことは、韓国が平昌オリンピックを開催できなくなったり、韓国がデフォルトしたりしたら、待つ意味がなくなりますので、北朝鮮への先制攻撃がXデーより早くなります。

6.トランプ大統領は北朝鮮に対する石油禁輸など短期的な結果を要求するのか

 交渉の際に、トランプ大統領が習近平国家主席に短期的に結果の出る北朝鮮制裁策を要求するとの意見もあります。
 例えば、過去の枠組みの6カ国協議に核廃棄前提で出席するとか、中国が北朝鮮に石油禁輸などのもっと厳しい制裁措置をとるとか、です。
 私はそんな要求はしないと考えます。
 習近平国家主席に北朝鮮核問題が解決したら、有利な貿易条件を提示すると伝えています。裏を返せば、貿易条件は頻繁に変えるものではないので、北朝鮮核問題の最終決着という結果しか貿易条件交渉のテーブルには載せることはできません。ここには、アメリカが先制攻撃で空爆した後に、中国による占領、金正恩党委員長排除、統治も含めます。
 何もやってないみたいだけどわかってんだろうな、とプレッシャーは掛けるでしょうが、短期的な結果で貿易交渉は変わらないので、要求はしないでしょう。

7.中国はアメリカに北朝鮮を空爆させないのではないか

 もし仮に戦争になるなら、中国はアメリカに北朝鮮を空爆させないのではないか、という意見もあります。その理由は、北朝鮮という自国のテリトリーにアメリカを入れることは中国のメンツが許さないからだそうです。
 アメリカの側から、北朝鮮核問題の責任を取るということは自国で全部やることだからね、と言われることがあるかもしれませんが、中国はアメリカに空爆を認めると考えます。
 その理由は、北朝鮮が攻め込まれた場合、報復措置をとると考えられますが、そのミサイルが北京に向いてる可能性もあるからです。北朝鮮は藩陽軍区と関係を保っており、北京にミサイルが飛んでこない可能性は全く無いとは言い切れません。
 開戦したら軍事施設を手当たり次第爆撃しなければならないですが、それだけの爆撃機を中国はもっていないのです。

 アメリカの立場から言えば、
①アメリカに飛んでくる可能性のある核及びミサイル、それを作る関連施設は自らの手で徹底的に叩いておきたいと考えるはずです。
②同盟国である日本と韓国にも報復のミサイルが飛んでくる可能性があります。それを防ぐためには、空爆は自分達がやらねばならないのです。しかも、北朝鮮の脅威があるとは言え、仕掛けるタイミングはアメリカの都合で行うことになる負い目もあります。
③空爆で破壊力を見せつけたら、シリア情勢にも交渉を通じて影響力を発揮することができます。
 以上のような理由から北朝鮮と戦争する場合、アメリカが空爆を放棄しないと考えます。

 そして、ここで掛かった軍事費は国境税率算出交渉のテーブルに載ることになります。

8.アメリカ単独で北朝鮮に先制攻撃することはないのか

 あり得ません。
 北朝鮮を占領、傀儡政権による統治は中国にやってもらわねばならないからです。
 理由は、目的からすれば単独攻撃はコストが見合いません。アメリカの目的は自国に核ミサイルが飛んでくることを防げれば良いのです。その目的から考えれば、北朝鮮の国が欲しいわけではありません。統治も難しいのは明らかです。
 今は単独攻撃をする可能性がある、と言っているので斬首作戦を策定していると言っています。金正恩党委員長は地下施設を転々としていて、正確な居場所の情報も得ていないようです。リスクが高い作戦の正否によって、軍事行動の成功が左右されるのであれば、避ける方が賢明です。
 軍事演習中に攻撃を仕掛けられたら別ですが、自分から先制攻撃する時は、中国と話を付けてからです。中国が北朝鮮との戦争にアメリカ側として参戦することは、中国の国内ですぐに結論が出る話ではありません。だから、今すぐにアメリカが北朝鮮に先制攻撃することはないと言えるのです。

 多くの人が見逃していることですが、トランプ大統領が習近平国家主席に、北朝鮮核問題が解決したら、有利な貿易条件を提示すると約束した裏には、北朝鮮との戦争にアメリカ側として中国の参戦を促す効果があることです。仮にアメリカが北朝鮮に先制攻撃で空爆した場合、その後の中国による占領、金正恩党委員長排除、統治も貿易交渉に含めていることです。

 つまり、アメリカ単独で北朝鮮と戦争をするリスクを減らしているのです。

 仮に中国が北朝鮮との戦争に参加しなければ、どうなるのか。北朝鮮の暴走は中国の責任であるにも関わらず、自国で処理せずにアメリカに処理させたわけですから、当然、高い税率の国境税設定を認めさせられることになります。中国は絶対にそれは避けるでしょう。ただでさえ、中国経済は減速しているのですから。

9.フリン氏の疑惑をもみ消すために北朝鮮へ先制攻撃するのではないか

 トランプ大統領の元補佐官(国家安全保障担当)フリン氏には、大統領選でロシアの干渉があったとされる疑惑があります。
 その疑惑の内容によっては、大統領選挙が無効になり、やり直しになるかもしれない大きな問題をトランプ大統領は抱えています。
 フリン氏が何をしゃべるかわかりません。
 わからないから、戦争を仕掛けて、アメリカを戦争一色にして疑惑をもみ消そうとするのではないか、という人もいます。

 しかし、ほとんど準備もしないで北朝鮮との戦争及び統治を長期化させてしまったら、軍に死亡者が多くなってしまったら、そのことだけで弾劾される可能性があります。北朝鮮核問題では無理をしないと考えます。

 とりあえず1年間は、大陸間弾道ミサイルの精度が上がってきているので、北朝鮮が急速にアメリカの脅威になってきたことを強調します。
 その上で、北朝鮮に圧力を掛けられる存在の中国と交渉中であると主張することで、自分に利用価値があるとアメリカ国民に認識してもらおうとするでしょう。
 北朝鮮核問題で注目を集めるのはこれが限界です。大統領として危なくなったら、他の政策で注目を集めて1年間は耐えようとするでしょう。

10.最後に

 トランプ大統領の貿易交渉と北朝鮮問題をリンクさせたのは素晴らしい考え方だと考えます。私見では、北朝鮮核問題対策で最も有効な施策と考えます。習近平国家主席が金正恩党委員長及び藩陽軍区に対して交渉に使えるカードが増えるのです。北朝鮮核問題の解決にはこれが最も効果的です。
 
 トランプ大統領が就任直後にTPPを離脱したのは良くわかります。TPPが良いとか悪いとかの問題ではありません。自分の一番得意な国際交渉をするカードがなくなってしまっては、大統領としての仕事ができなくなるからです。

 私の個人的な期待ですが、金正恩党委員長の第三国への亡命を期待しています。つまり、戦争をしたり、アメリカに高い税率の国境税を掛けられるぐらいなら、金正恩党委員長に大金を投じて、亡命するよう説得することが一番良いと中国が考えるからです。戦争や高い税率の国境税に比べれば安いものです。
 世界平和のために、是非とも亡命して欲しい、と心から願っています。

 1年間の猶予期間があります。
 日本はこの1年間に北朝鮮有事の際に、何が必要なのか、やっておかねばならないことは何かを検討し、必要な施策を施行しておかねばなりません。

 冷静になって、できるだけ早く準備する必要があります。
 国民の真剣な議論が必要です。
 北朝鮮が報復したミサイルにどのように対応するのか、地下街をシェルターにすぐにできないか、北朝鮮・韓国から来た難民はどうするのか、等々。検討しておかねばならないこと、準備しておかねばならないことがたくさんあります。

 国会には、日本の安全保障に重要なこれからの1年間のために、今のようなふざけた仕事ではなく、きちんとした仕事をすることを望みます。

 国民は国会議員の仕事ぶりを見ています。次の選挙(『区割り改定案勧告。解散総選挙へ。衆議院議員選挙は10月1日?』)でその評価が反映されるでしょう。

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