真似ることは技術取得の重要な方法です。
身近に真似る対象があれば、こんなチャンスを逃してはなりません。
単純に真似をするだけでは、高い水準には到達しません。
より高い高い水準の技術を取得しようと思えば、自分に何が必要かを考えることも重要な力になってきます。
自分が能力向上を図ろうとしている技術に対して、身近に真似る対象があることは、素晴らしい環境です。
真似る対象の人の行動をきちんと真似できれば、その人と同じことができます。真似する人と同じことを再現できる、という目的を達成できます。
「技は盗むモノ」と日本企業の中では良く言われます。
日本企業の多くは、人的資本投資が少ない傾向があります。(日本の経済成長及びデフレ脱却が難しいと語る3つのデータ 日米独の無形資産投資の状況の人的資本投資 参照)研修にお金を掛けないようです。
ならば、個人で能力向上を図る場合、まず真似ることです。
何も考えずに、とにかく真似てみるのが第一段階です。
なぜそうするのか?と疑問に思うことがあります。
この段階では、色々な疑問を捨て去り、とにかく、真似ることに集中することです。
そうすることで、初心者の段階から、一段水準を上げることができます。
企業内で、先輩と同じ事ができれば、良いと考えられているのであれば、まずは、その水準に到達することを考えるべきでしょう。
これまでやったことがないことをするのに、怖い敵の一つが、この方法で目的を達成できるのだろうか?という疑問です。
真似する場合は、同じ方法で目的を達成した人がいるのですから、疑問を持つ必要がありません。これは、真似ることの大きな効用です。
しかし、真似ることが簡単ではないこともあります。
真似しようとする技術水準が高すぎる場合、真似しようとするやり方が自分と相性が悪かった場合、などが考えられます。
後者は、頑張ってみて、それでも効果が上がらなかったら、見切りを付けることも重要です。
では、真似ることが難しくなった場合、どうしたら良いのでしょうか。
器用な人で、何事も身につけるのが早いのに、その水準で成長が止まってしまう人がいます。周りから見ると、もったいないと感じます。
若い頃にスポーツをしたことのある人は、同じチームで具体例を挙げられるかも知れません。
逆に、初めはなかなか身につかないで、一生懸命努力した結果、結果的にその器用な人の水準よりも高くなり、ついには、素晴らしく成長した人もいます。
この違いは何でしょうか。
もちろん、素質の問題もあります。
一つの考え方としては、真似るだけよりも、別の能力を伸ばすやり方を自分でつかめたことがあると考えます。
真似ることは能力向上の近道です。
真似ることは良いことばかりではありません。欠点もあります。
三つほど挙げます。
(1) 目指す水準に到達することが比較的楽であるために、それが当たり前と考えるようになります。
(2) 適切な真似る対象がいなくなった時に、それ以上の水準に上がるのが難しくなります。
(3) 本当に自分に合うやり方があったかも知れないのに、それを見つけようとしないことです。
真似しようとしたが、うまくいかなかった場合は、負け惜しみで良いので、真似はこれら三つの欠点があるので、あえて諦めたと思えば良いかもしれません。その上で、自分のやり方で頑張れば良いのです。
真似の第二段階は、自分を主体に考えて、部分的に取り入れることです。
真似をする前に、何を真似るのかを考えることが重要です。
・自分に何が足りないのか、
(対象の技術だけでなく、基本的な能力の水準もここに含まれます。)
・周りに真似できる対象があるのか、
・真似をしたら全体的に能力が向上するのか、
を考えることが必要です。
あくまでも自分が主体です。自分の中に真似する部分を取り入れることによって、良くなるのかどうかを考えて、良くなると判断したら取り入れるのです。
真似る対象よりももう一つ上の水準を目指す場合は、技術取得能力とは別に、これらの能力が必要になってきます
。
さらに、真似と違いますが、自分のやり方で自分の能力向上を図ることを前提に、他の事例を見て、参考になる所を探して、話を聞いて、取り入れるようにすることも大切です。
取り入れるものは取り入れるという姿勢は重要です。
高い水準に到達しようと思えば、自分のやり方を確立し、自分のやり方を変えるつもりが無くても良いでしょう。
そうなると、独りよがりになる傾向があります。それを防ぐためにも、また、他の分野の技術進歩を取り入れる意味も含めて、取り入れるものは取り入れるという姿勢は必要です。
同じことは、新たな手法を導入しようとする会社についても言えます。
良く成功事例が紹介され、自社も真似てみようと考える人も経営者もいるでしょう。
しかし、成功したのは、あくまでも他社です。
置かれている環境、業界の特徴と会社が置かれているポジション、従業員の能力など、その会社の条件だから、その手法が機能したのです。
その手法を導入して自社で機能する条件であるのかどうかを考えることが必要です。
コメント