技術とは再現できることです。
はじめのうちはマニュアルを見ながらでも良いから、とにかく、一定の水準のものを再現できることが、最初の到達点です。
その次の到達点は、忘れた時にすぐに手元で見返せるような、ポケットに入る手帳に書いたメモに頼りながらできるようにすることです。
最初は時間が掛かるのは当然です。
最初に再現した時間がそのまま仕事に使われるわけではありません。最初からうまくできなかったからといって、焦る必要はありません。
あまりにもゆっくりし過ぎても困ります。
細かいところが気になると、なかなか先に進めない人もいます。まずは、一通りやってみることが大切です。
技術水準、本人の能力、それまでの経験によって、習得スピードが異なります。
この過程は、①どのようにやるのかの情報取得をして、②実際にやる、の2つの内容を交互に行うことになります。
あまりに多くの情報を詰め込もうとし過ぎると、それだけで精一杯になってしまい、再現できない状態のまま、時間が過ぎてしまいます。習得スピードを見ながら、適切な量を行うことが必要です。
技術習得の際に、一度先輩がやったのを見た後とかに、試行錯誤する段階を、指導を受ける時間と織り交ぜた方が良いことがあります。
なぜなら、一度、試行錯誤したら、その時に難しいと感じたところを特に注意して説明を聞こうとするでしょうし、疑問に思ったことを質問できやすくなるからです。
これは、パソコンやスマホでも、とにかく使って見て、それからわからないところを説明書を見た方が、使い方の習得が早いことに似ています。
せっかく一度再現できたのなら、可能な限り、時間を空けないで、もう一度、最初から通して再現することが重要です。
一度、再現できたら、それで一段階クリアと言っても、再現することだけで精一杯の状態です。
何をやるのかの情報を取得して、それを行えるように手を動かして、また、情報を取得して、というように、作業と情報取得を行き来しているからです。
だから、時間が経ってしまうと忘れてしまいます。せっかく、再現できたのであれば、もう一度通してやってみることで、最初の時とは異なり、流れが実感できます。その違いは大きいです。
次の段階に進むために、ポケットから取り出せる手帳に書いたメモさえあればできるようにすることは大切です。
もちろん、このメモは教えられた者が自分で作ることになります。メモを作ること自体が、技術を学習することにつながります。
急いでメモ書きすれば、誰だって字が汚くなります。そのうち、メモを作ったけど、何を書いたのかわからなくなることは、少なくありません。
必要ならば、パソコンで文章を打ち込み、印刷したものをメモ帳に貼り付けても良いでしょう。
最初の段階は、手順と注意点を書くことになります。
何ができて、何ができないのかを区別する必要があります。そして、できないことに対して、注意点を書くことで、再現しやすくします。
もちろん、忘れないように、できることも整理しておいた方が良いです。これは手元の手帳に書くものとは別のものとして整理します。
慣れないことをやるのですから、最初は気持ちが乗らないのは無理もありません。この段階はできるだけ早く手を付けることが重要になります。
やる気スイッチではないですが、日頃から、スイッチを入れれば、一段上のテンションに上げられるようにしておくことも大切です。
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