リフレ派が失敗を認め、案件創出促進がデフレ脱却の第一歩

日本銀行は先月1日の金融政策決定会合で、物価上昇率2%の目標達成時期の見通しを「2017年度中」から「2018年度ごろ」に先送りしました。2013年の大規模緩和開始からは5度目となります。

リフレ派の主張では、デフレは貨幣現象であり、金融政策で解決できることになっています。
しかし、5回も先送りしていることは、今の日本経済にとって、政策の有効性が低いことを表します。
政策の有効性が低いのは、有効性を阻む何らかの問題があるはずです。
理論が間違っているのでしょうか、政策が十分ではなかったのでしょうか、日本経済が理論を適応できる条件になかったのでしょうか。

うまくいかなければ、その理由を導くための仮説を提示するのが、学者の役目ではないでしょうか。
1998年からの日本の長期デフレは過去の歴史にないことです。
デフレ脱却が難しいことはわかっています。
難しいのであれば、多少?の失敗はやむを得ません。
真摯に真実に向き合って欲しいです。
学者として飯を食っているならば。

リフレ政策の理論は間違っていないと考えます。
ならば、日本経済が理論を適応できる条件になかったと考えるべきです。

世の中には経済の常識から外れた行動をする人がいます。
その人の消費行動は経済原則で語ることはできません。
国にも経済の常識から外れた存在があってもおかしくありません。
過去の日本の高度経済成長も経済の常識から外れていたではありませんか。(なぜ日本だけが高度経済成長できたのか。その行動様式とは)
日本は他の国にはない行動様式があるのです。(日本の長期デフレの要因「追いつけ追い越せ行動様式」とは)
仮に本当にそうであれば、他の国とは違う現象が生まれてもおかしくありません。(なぜ日本だけが長期デフレなのか?デフレを促進する要因とは)

日本の長期デフレが続いている背景には、世界的に特殊な日本の労働制度があります。(他国の労働制度では長期デフレに耐えられない)

この問題を考えるに当たって、1つ考えてもらいたいことがあります。
リフレ派の人はデフレから脱却すれば、投資が増えると言っています。
仮に2%のインフレ目標を達成したとして、投資する企業が出てくるでしょうか。

あなたが所属する企業はどうですか?何に投資しますか?そのような見込みがありますか?インフレになったら投資の判断基準が変わりますか?
私が得ている感触では、2%のインフレ目標を達成したぐらいでは、投資が増えないと言い切れます。
理論が正しいとか、政策が十分であるとかを判断する前に、うまくいくための前提条件がないのです。、
今の日本企業の現状は、デフレだから投資を控えているのではなく、単純に投資する案件がないから投資しないだけです。

もう一つ言えば、案件がない状態は、今考えられる案件の多くが、過去の判断基準よりもリスクが高いからと考えられます。
大規模な金融緩和を行った割には、銀行の融資残高が伸びていません。
今の時代に相応しい投資判断基準の整備と、リスクを抑えるための施策の充実が必要になってくるのかも知れません。

私が問題視しているのは、経済問題の多く部分をデフレのせいにしていることです。
そのため、現在の日本経済にある問題の本質から目を背けているようにしか見えません。
日本企業の体力が落ちていることが問題です。(日本の経済成長及びデフレ脱却が難しいと語る3つのデータ)
仮に日本経済回復の処方箋が見つかったとしても、構造改革できる体力が残っているかが心配です。

時間を元に戻すことはできません。
やった失敗は仕方がありません。
難しい問題だからといって、無条件に失敗を許すわけではありません。
失敗したなら、施策への投資に見合った進歩がなくては困ります。

リフレ派の人々は失敗を認め、失敗から学んだ内容を社会に還元すべきです。
その上で、案件創出促進を行うことがデフレ脱却の第一歩になります。

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