公共投資は波及効果が大きくなる構造改革と同時に行うべき

公共投資は波及効果が小さくなったと理解する必要があります。
公共投資は波及効果が大きくなる構造改革と同時に行うべきではないでしょうか。

経済対策が報じられるとき、○兆円規模と予算規模で報じられます。
もちろん、国民の税金が使われるのだから、予算規模を報じることは必要です。
報道を受け取る側は、予算規模に見合った結果が生み出されるのではないか、と期待したくなります。

景気対策としての公共投資はあくまでも刺激であることを忘れられているのではないか、と思わざるを得ません。
公共投資は、『公共投資の波及効果は広く考えてみる。公共投資は刺激である』で説明したように、波及効果が大きければ大きいほど成果が出るものです。ならば、波及効果が期待できる環境かどうかを考える必要があります。

例えば、個人消費が伸びていません。
個人消費を伸ばす方策がわかっていません。
それなのに、公共投資に関する個人消費だけが伸びるでしょうか。
それができないのであれば、波及効果は小さいことになります。

高度経済成長期から比較して、公共投資の波及効果が低くなっていると考えられます。
その要因について、以下の記事でも説明しました。
公共投資受注企業の先行き不安が波及効果を小さくする
普及期に消費増加を促す耐久消費財が今は普及し終わっている
経済発展段階が高い水準に到達し、基礎的な消費の割合は低下
『グローバル化の進展は公共投資の波及効果を小さくする

波及効果が小さいのに景気対策としての公共投資をすべきなのだろうか?という疑問があって当然ではないでしょうか。

仮に、今、その波及効果が期待できない環境であることを認識していても、経済が良くない状態なので少しでも良くするために公共投資を行うことしか選択肢がない、とします。
そんな事態であるとすれば、波及効果が大きくなるような政策を行い、それと同時に公共投資を行うべきでしょう。
もちろん、そんな政策など行われていません。

波及効果を大きくするには、何らかの構造改革が必要でしょう。
波及効果を大きくするような構造改革がなされないのであれば、景気対策としての公共投資は減額されるべきでしょう。

日本は長期デフレから脱却できていません。
その間、大きな構造改革をしてきませんでした。
構造改革をしてこなかった理由の1つは、仮に構造改革をしても、うまくいくのかどうかわからないからです。
構造改革する際には先行き不安感があります。
側面支援として、公共投資がなされることで、経済が少しだけ上向き、それによって、先行き不安感が期待感に転換されます。
つまり、構造改革の成功確率が上がるのです。
その時のために、公共投資の案件も、公共投資を行うお金も残しておいてほしいのです。
安易に使って欲しくないのです。

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