グローバル化の進展は公共投資の波及効果を小さくする

グローバル化の進展は公共投資の波及効果を小さくします。

40年前との比較で誰でもわかる大きな違いはグローバル化という現象でしょう。多くの企業が世界規模で取引を行うようになってきました。

それを可能とした物理的な条件は、インターネットをはじめとした情報環境が整備され、輸送網も発達したことが挙げられます。

その背景には安い人件費で仕事ができる労働者を求めて、中国やASEAN諸国など発展の余地のある国々に企業が投資した動きがあります。
日本に関しては、円高が進行したため、価格面での国際競争力を保つためには、海外企業との取引が不可欠になってきました。

昔は品質管理は日本の十八番で、どこにも真似できない高品質なものを作っていました。
今もその特徴は息づいていますが、日本と他国の差は相当縮まったように思えます。

彼らが用いる技術について、具体的な技術革新があったのかどうかは私には良くわかりません。

彼らの技術水準の向上は、グローバル化の進展によって、多くの国々の生活水準が上がり、市場に新しい製品を投入する素地ができあがったことが大きいと考えます。
その素地ができたことから、国内で企業に投資されて、市場を通じて製品の質が上がっていき、さらに投資されるという相乗効果が生まれたのではないでしょうか。

グローバル化が進展すると、公共投資の国内への波及効果は小さくなります。
なぜなら、企業が調達する資材及び消費者が消費する製品が海外で生産されたものであれば、海外企業がその効果の恩恵を受けることになり、その分、日本国内での公共投資の波及効果が小さくなるからです。

世界経済発展のために日本が犠牲になって公共投資をする、という意識があるでしょうか。

日本国が借金をしてまで景気対策として公共投資をするのは、日本経済を良くしたいという気持ちだけでしょう。
今の時代は経済が日本国内で閉じこもっている環境にありません。
比較対象としている40年前と大きく違うところです。

消費者に「日本国内で生産されたものだけを買え」などとは言える状況にはありません。
仮に国粋主義者の消費者がいて、日本国内で生産されたものだけを買おうとしても、知らず知らずにそうでないものも買っているでしょう。

今はiphone等情報関係の製品の魅力も海外製品の方が優れているものもあり、アマゾンなどのネット産業も多く日本に進出しています。それらを使うななどと消費者に言うわげにはいきません。

グローバル化の進展は公共投資の波及効果は小さくします。

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