近年の公共投資の波及効果は極めて小さいと考えられます。
40年前の1977年から自民党の頭が固まったままと考えます。
日本人及び日本組織は成功体験に引きづられる傾向があります。
自民党は未だ公共投資を景気対策として行う成功体験から抜け出していないようです。
小泉元首相の当時は公共投資を減らしたのに、自民党の根っ子は変わらなかったのでしょう。
現在のデフレ経済を脱却するためには、資金を市場に出す量を増やすだけでは、その効果が限定的と考えます。
市場に出回っている資金の量が少ないのではなく、その資金が回っていないのが問題です。
資金が回るとは、人や企業が行う取引が多く行われることを言います。その際、経済活動が行われます。つまり、経済活動が活発になることを意味します。
資金を回そうとする考えは大切ですが、だからといって、資金を回すために公共投資をすることは問題です。
なぜなら、現在の環境では公共投資では資金が回らないからです。
もちろん、投資するのだから最初の資金は出ていきます。施工する企業にも資金が投資されます。そこからどれだけの経路で資金が回るのでしょうか。
少なくとも、過去の成功体験の時よりも資金が回らない傾向があることを認識しなければなりません。
自民党が公共投資を景気対策として用いる最初の成功体験はどの年の対策なのか正確にはわかりません。
今との環境変化を説明するために、1977年の総合経済対策当時の環境と比較してみます。
なぜ1977年と比較するのでしょうか。
その理由は、
①当時の一般論として、4~5%のGDP成長率の下支えになったという評価がなされていたからです。もちろん、効果はなかったと主張する人もいましたが。
②1975年から景気対策を行った結果、当時なりに国債依存度の高さが制約要因になっていたにも関わらず、公共投資を行いました。その後、国債依存度を低下させる成功体験となったからです。
③当時としては景気浮揚を最大の目的として財政金融両面から景気刺激を図った初めての対策であるという評価がなされていたからです。
公共投資の波及効果に関しては、自民党の頭は当時から固まったままではないか、と私は思っています。
なぜ公共投資の波及効果は小さくなったのでしょうか。
その要因を考えたいと思います。
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