前の記事「日本企業は組織硬直化しやすい組織構造がある (https://shinkashi.com/2016/10/19/nihonkigyo-soshikikochokukashiyasui/)」で「組織構成員を頑張らせると、「質の向上」よりも「量の拡大」を指向する傾向が強くなるからです。」と書きました。
そのことについて説明します。
改めて考えると、「頑張る」ってどのような状態でしょうか。
何かのCMか忘れましたが、
外国人らしき2人の女性が、
「頑張ります、ってどういう意味?」
「任せてくれって、いう意味よ。」
と言っていたCMがあったように記憶しています。
ちょっと違いますよね…。
と感じさせることに意味があるCMだったです。
外国人に「頑張ります」という言葉の意味はわかりにくいように思えます。
「ファイト」、「加油」などとは違うように思えます。
「頑張ります」という言葉は、自分自身が自分に対して頑張ろうとしているだけではありません。
周りの人々に頑張ることを誓っていることでもあります。つまり、周りの人々に自分を認めて欲しいというニュアンスもあります。恐らく、外国人にわかりにくいのは、周りの人との関係性でしょう。
なぜなら、外国人の多くは、その必要性がないからです。
日本企業の多くが閉鎖的で、労働者が流動化していないことが背景にあると考えます。
日本企業の多くは、頑張らせる仕組みがあります。
その中の有力なものは、同期を軸にした人事管理体制です。
モチベーション向上の仕組みとは異なります。
若い内は同期が同じようにスピードで昇進させて、競争させる仕組みです。
だから、新卒一括採用がなくならないのです。
皆が頑張るから、頑張る、いや、頑張らざるを得ないのです。
そして、同期を同じように処遇し、若い間の多くの入社年次を管理しやすくします。
現在は、変化しているようですが。
「頑張ります」の説明の中で、周りとの関係性があると書きました。
あなたの企業では、さほど忙しくない人なのに、忙しいアピールしている人はいませんか。忙しいアピールも周りを気にしているからです。
周りを気にしながら頑張る場合、頑張ったことが目に見える方が伝わりやすいのは確かでしょう。
労働時間が長いことは、頑張っていることが目に見えやすいと言えます。本当は、労働時間が長ければ成果が出ているわけではないのですが。
働く女性からすれば、労働時間が長いということだけ(?)で評価されていると感じてしまうのもわかります。
わかりやすいと言えば、スペックといいますか、成果物に関する数字を良くすることも、頑張りが評価されやすいでしょう。
製造業では、コスト削減、不良品率削減、もありますし、製品の性能を表記するスペックが良くなることもわかりやすいでしょう。
そのようなわかりやすい内容は頑張る対象になりやすいです。
それらの多くが「量の拡大」になります。
「質の向上」は必ずしも数字に表させるものはがりではありません。
周りからは頑張りがわかりにくいのです。
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