切羽詰まって、必ず実行しなくてはならない目標があれば、それに注力しなくてはなりません。
「デザイン」は多少余裕があって、将来に向けて利益を得られるような仕事を考えることができる時に用います。
では、「デザイン」すると決めて、目の前にある仕事を、どのように考えたら、利益を生むように変えることができるのでしょうか。
まず、良い結果を得るように、良い価値を提供することができる良い組み合わせを考えます。
次に、それを最も評価してくれそうな消費者を設定します。
その消費者が最も評価してくれそうな製品またはサービスの内容に組み合わせを修正します。
そして、その内容を仮説を持って試します。
試すのは試作品を消費者の目の前に出して質問するのが最も良いです。それだけでなく、営業の際に折に触れて質問を加えても良いですし、Web解析の内容を吟味しても良いでしょう。
少ないコストで「試す」にはどうしたら良いのかを考えることは、変化の激しい現在においては重要なことの一つと考えます。
どうせ試すなら、伸ばす要素を加えて、それが通用するのかどうかも含めて試すことが、より多くの情報、感触を得ることができます。
伸ばす要素は価値を形成する重要な要素です。今はうまく行かなくても、将来に向けて努力していると位置づけることができれば、成功する確率が高くなりますし、モチベーションも上がります。
私は「伸加試」という屋号を用いて活動しています。
それは、伸ばす要素を加えて試すことをデザインしませんか、と働き掛けたいからです。
日本人の多くは、学校教育や受験を経験して、問題には正解があると考えるようになります。
しかし、ビジネスには正解はありません。なぜなら、どんな業務で戦うのかを選択するのは自由ですし、誰に売るのかを選択するのも自由です。
多くの選択肢と多くの変動要素があるので、正解はありません。
正解がある問題は、結果を出す期間が少なくて、裁量が少なく、判断も過去の傾向をそのまま変えないなどの変動しない前提がある場合です。
正解があると考えることが習慣づくと何が困るのでしょうか。それは、多くの変動要素がある場合に、案に対する思考を深めることが難しくなるからです。
「正解がある」は「変動要素を少なくする」と同じです。つまり、正解を導き出すために、無意識に問題を解きやすいよう変えてしまうことがあるのです。
変動要素があることを前提に考える訓練はどのようにすれば良いのでしょうか。
それは幾つかの変動要素を設け、一つを変えれば、整合性を取るために、他の要素を変えるように思考をすることが大切です。
ビジネスモデル・キャンバスはその効果が優れています。日頃からビジネスモデル・キャンバスを使うことが一つの方法でしょうが、複雑なモデルでは、思考を深める訓練には適していないと考えます。
では、どのようなフレームワークが思考を深める訓練に使えるのでしょうか。
変動要素を三つにして、それぞれがそれぞれに影響しているようなフレームワークで考えることです。
数が少ないという意味では二つの変動要素が良いと思う人がいるかも知れませんが、二つだと、一つ変えて、もう一つ変えれば終わりです。
三つの変動要素なら、一つ変えれば、二つの要素を検討することになり、変動要素を一つ増やしただけで、考える幅が広がります。
では、その三つの変動要素は何が良いのでしょうか。
それが「伸ばす要素」、「組み合わせ」、「ターゲット消費者が評価する価値」の三つが良いと考えます。
その三つを相互に考えることで、伸ばす要素を加えて試すことをデザインできます。
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