アベノミクスは失敗

なぜアベノミクスは失敗したと言い切るのでしょうか。
一言で言えば、日本がデフレを脱却していないからです。
さらに加えれば、今の経済情勢は景気が回復したと言える状態ではないからです。

安倍首相は、日本のデフレ脱却のためにアベノミクスを行っていると言っています。その目指す目的が達成されていなければ失敗と評価するのは当然のことです。

日本人は評価する際に「目的」をあまり考慮しない傾向があります。本来、その目的を達成するために、その達成に必要な資金、労働力等の資源を投入するのです。
「目的」が達成できないのであれば、当初の見通しどおりに行かなかったことを意味します。それは、設定した仮説が間違ったのであり、資源投入の組み合わせが合理的でなかったことを意味します。それは失敗なのです。
評価はあくまでも、目的の達成度及び目的に用いられた見通しに対して行われるものです。過去より良くなったか否かではありません。

アベノミクスの真の目的は為替操作ではありません。円安になったのは副産物です。もっとも、アベノミクスの真の目的が為替操作だと言おうものなら、アメリカは黙っていないでしょう。

それを承知した上で、為替操作の側面だけに絞って考えても、失敗と言えるでしょう。
アベノミクス失敗の最も大きな要因は、円安が進んだほどには、輸出が伸びなかったことです。恐らく、多くの経済学者が誤算と考えていると思います。
民主党時代のあまりにも酷すぎた円高のため、企業側が輸入を生かす経済体質にシフトし過ぎてしまったことが考えられます。
そのような考え方があって、私は輸出の伸びを低めに見積もっていました。しかし、これほど伸びないとは思っていませんでした。

輸出が増えなかったこともあって、GDPも景気回復と言える数字ではありません。

アベノミクスで良くなっている指標の一つに株価がありますが、6月23日の日経平均の終値が、16,238.35 円と決して良い数字ではありません。

なぜアベノミクスに対して随分甘い評価がなされているのでしょうか。それは、過去の民主党の経済政策の無策が引き立て役になっているからです。
どんな失敗でもひどい引き立て役があれば良く見えるのは当たり前です。比べる相手が悪過ぎます。それではまともな判断はできません。

アベノミクスは失敗です。そう言い切って、次の経済政策に舵を切ってこそ、日本に未来があるのです。

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