イギリスEU離脱決定は自民党に有利に働く

イギリスEU離脱決定は、参議院議員選挙では自民党と民進党どちらに有利に働くでしょうか。
民進党の岡田代表の反応から見れば、自民党が有利に働くと見ます。
経済を論点にすることに、完全に腰が引けていると感じるからです。

なぜでしょうか。
民進党の岡田代表が6月24日発表した談話では、「円安・株高を牽引車とするアベノミクスの宴は終わった。今こそ経済政策の転換が必要だ」と語りました。
http://www.sankei.com/politics/news/160624/plt1606240063-n1.html
この内容では、これまでのアベノミクスの評価をしていません。つまり、それは肯定していることを意味します。アベノミクスを肯定しているが、アベノミクスが「円安・株高を牽引車とする」性格であると指摘し、それがイギリスEU離脱決定という外的要因によって、続けることができないと指摘しただけです。

その指摘だけなら正しいでしょう。
だが、それだけです。
議論を避けているように映ります。
完全に腰が引けていると感じさせます。

とうせ対案がないのでしょう。また、為替政策を議論すれば、過去の民主党の無策が思い出されかねません。
不利な条件の中で、民進党は外的要因でアベノミクスは続けられないとしか指摘できなかったのでしょう。

しかし、どのような悪条件であったとしても、アベノミクスは失敗したと主張すべきです。失敗は事実です。それを指摘した方が自民党の能力不足を説明できます。
それが野党の役割でしょう。
とは言え、国民に対案がないことが見透かされているので、効果は限定的です。

裏を返せば、自民党は、ひたすら危機対応の信頼性をアピールすれば有利に働く可能性が高いでしょう。選挙期間中に多少経済が悪くなっても、です。
民進党の対応を見て、適宜、過去の民主党の為替政策の無策をチクリと指摘すれば、より効果が増します。
そして、自民党にはそのような主張をうまくできる能力があります。

ここまで書いて、日本に選択肢がない不幸を嘆かざるを得ません。
本来は、民進党がアベノミクスの失敗を追求して、イギリスEU離脱決定が駄目押しになっていると指摘し、対案を提示して、その実施を迫るべきです。だが、民進党にそれを望むのは酷でしょう。

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